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2017年10月29日 (日)

産後うつ

みなさんこんにちは。

テレビドラマのコウノトリ、皆さんは観てますか?
前回のテーマは産後うつでしたね。

出産前後、女性は自分を取り巻く環境がガラリと変わります。
赤ちゃんなんて触ったこともないオトナの女性も多く、出産という大きな出来事の後に、休む間も無く、生まれたばかりの小さな命に向き合う緊張感ある毎日が待っています。
ブログの中でも何度も触れてきましたが、出産はゴールではなく育児のスタートなんです。
そして育児にゴールはありません。
だって、50になった娘のことでさえ、母親は心配してますから。←あっ、これ、私の母のことです。笑

人は、ゴールを探したがります。
受験・就職・結婚・・・全て、その時はそこがゴールだと思って頑張りますが、そこにたどり着けばまたそこからがスタートなんです。
ホントのゴールは寿命が尽きた時。
死後の世界を信じるなら、それさえもゴールではないのかも。

だから、妊娠も育児も同じなんです。

出産すれば妊娠のゴールで、また妊娠前に戻れるなんてことはなく、前に進み続けるしかなくて、その‘前’というのは妊娠前とは全く違う世界なのです。

ドラマでは、産後うつに陥るママさんを本当に丁寧に描いていました。
そして、彼女に寄り添おうとする勤務医や勤務助産師の姿や限界があることまでしっかりと表現されていました。

ただ、私が残念に思ったことは、今、国や市町村の行政を挙げて産後のママさん達へのケアのできる環境を整えています。
まだまだ一般には認識が広まっていませんが、産後ケアと言って、病院を退院した後に助産院に宿泊したり通ったり訪問してもらったりしながら、心身を休めたり育児指導を受けたりする制度も、少ない自己負担金でできます。
そういう制度については全くドラマで触れることはありませんでした。

全国放送されるドラマで、少しでもそのことにふれてもらえれば、市町村への問い合わせなどで産後ケアをもっと知ってもらえたかもしれません。

おしか助産院も、静岡市の産後ケア事業の委託助産院として登録しています。
宿泊型は今は扱っていませんが、朝から晩まで助産院のお部屋でゆっくり過ごす通所型や、来所や訪問型での育児相談・母乳育児支援はやっています。

今はだいたい月に5名程ですが、利用があります。

夜眠れない日がつづいて、少し環境を変えてノンビリしたいとか、母乳育児が上手くいかなくてマンツーマンで時間をかけて指導を受けたいとか・・。
ケアをする中で、悩みを聞き一緒に考えていきます。

関わり始めた当初は、細かなことも一つ一つ私の指示がなくてはなかなか前に進めない方もいます。
ミルクを足す量・時間・着せる服の枚数・小さな湿疹・ウンチの回数・性状・・毎日のようにメールでのやり取りをしながら育児をしていきます。

そんな方達が数ヶ月すると、少しづつ自分なりの育児を確立して、私とのやりとりが少なくなってきます。
そして、赤ちゃんの体重を測りに1ヶ月に1度助産院に来る位になってきます。
以前ならば指示待ちだったことが、子供の様子を見ながらママが考えママのやり方で進めていくようになります。
そうして、ママ達は少しづつ母親として成長していくのです。それは、人としての成長でもあります。
そういうママ達を見ていくのは、とても嬉しいことです。

その他にも、仕事復帰への焦りや保育園探しなど、もちろん私が解決するわけにはいかない問題も、一緒に考えます。
1人じゃないってこと、グチを言ったりできることって、とっても大事なんです。

私は、1人の女性として・組織に属さない助産師として、家族や友人と違う立場で近すぎないからこそ弱い部分も嫌な部分も全てさらけ出せる相手でありたいと思っています。

そういう場があることで防げる産後うつもあるんじゃないかな?

病院の医師・助産師は多忙です。また、組織に属していることで個人として妊産婦さんと繋がることは基本的には制限されます。
休日・昼夜関係なく電話やメールで同じ助産師や医師に相談できるなんて、ドラマの中だけの話です。

けれど、そういうことができる場所があるんです。
しかも、それは国や市町村の政策として用意されているんです。

産後のママさん達を守る為に何をしたらいいのか。

私達開業助産院は、出産の安全を確保する為に病院との連携がとれているかということが大事になりますし、助産院で出産される妊婦さんは、必ず妊婦健診として妊娠中に病院受診をします。

それと同じように、退院後の母子の安全を守る為に、地域の助産院を必ず知ってもらうということはできないのでしょうか?
毎月何十名もの分娩を扱う総合病院やクリニックさんには、継続ケアに限界があるのは事実なんです。

産後のきめ細かな継続ケアができるのは、地域の助産院なんだと私は思います。

本当に母子のことを考えている病院ならば、医師や助産師の資格がなくてもできることに力とお金を注ぐのではなく、退院した母子が当たり前の生活ができる為に何が出来るのかを一緒に考えるのではないでしょうか?

有名シェフの作る食事・エステメニュー・豪華なアメニティ、それを売りにしているところもあります。
それって本当に必要なんでしょうか?
国家資格のある麻酔科医や助産師や栄養士や臨床心理士、本当に必要なのはそういう人材が揃っているということなんだと思います。
だって、保養施設ではなく医療施設なのですから。

ただ、それを求める妊産婦さんもいるわけで・・。

自分と赤ちゃんの命・これから始まる育児・自分の人生の一部、を託す場所をしっかり見極める。

産後うつの予防は、案外そんなとこにあるのかもしれませんね。




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