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2011年10月25日 (火)

病院と助産院

みなさんこんにちは。

久々の更新です。

今日は、時々来る学生さんが実習目標としているものの一つの「病院と助産院の違いを知る」について私が思っていることを少しだけ書きたいと思います。
ちょっとだけ堅い内容かもしれません。

一番わかりやすい違いは、病院は医師が,・助産院は助産師が管理運営しているということです。
助産院には常駐する医師はいません。
医師のいるということは、スグに医療行為を行えるという安心感があるかもしれませんね。

次に・・・。これも医師と関係あるのですが、助産院では基本的には医療行為は行えません。
しかし、臨時応急の手当てとしては法律で許可されていますので、全く自然に任せてなにもしないわけではありません。
それぞれの助産院が医師との協議のもとに、点滴や薬剤の準備をしてあったりもします。
しかし、当然ですがこれらのものはあくまで臨時応急の手当てとしての最小限度の使用であり、分娩誘発の為の子宮収縮剤の使用などはありえません。
もちろん無痛分娩も無しです。
緊急時の帝王切開もできません。

上記の理由で、助産院では異常分娩の取り扱いはできません。
日本助産師会のガイドラインがあって、助産院で扱える分娩とそうでない分娩ははっきりとしています。

ここからは、おしか助産院の場合は・・という話です。助産院によって多少の違いはある事柄です。

助産院では、一人の助産師が妊婦健診~分娩~産後~育児と、長い時間を一対一の関係でお付き合いさせていただきます。
お互いに心を通わせ信頼し、初めて納得のいくお産や不安の少ない育児ができるんじゃないかなと思うからです。

助産院では、お部屋数の少なさもありお産入院は一人か二人ですので、入院中の環境は個人に合わせることができます。
お食事も、“妊婦食”とか“貧血食”とかひととくくりにするのではなく入院されている方の体調や好みやお乳の状態に合わせてお作りしています。
メニューを決めるのも調理するのも助産師(おしかでは平日の昼とおやつはお手伝いをおねがいしてます)です。
まさか、病院で医師や助産師が食事をお作りするところはないのではないでしょうか?

助産院では、比較的面会は自由です。
ご家族の面会は時間もフリーですし、もちろん立ち会い分娩は当たり前に行っています。
最近は病院ではお子さんの面会ができないところもあると聞きます。
たくさんの方が利用される施設ですから、面会もある程度は制限しないと持ち込まれるウィルスや菌のことを考えれば当然の対応だと思います。
しかし、大事な兄弟姉妹が早期にふれあいを持てないというのは、少し残念なような気がします。

助産院は母乳育児を応援しているところが多いです。
おしか助産院も応援しています。
けれど、私は母乳育児をすることが全てだとは思っていません。
楽しく責任を持ってこれからの長い育児をしていく上で、母乳で育てることがその母子にとって何よりも一番大事な場合とそうでない場合があります。
お母さんの体調や、上のお子さんの様子そして赤ちゃんの様子。
そのご家族にとって何が一番いいのかを考えながら、母乳の素晴らしさを感じられればと思っています。

そして、お産のスタイル。
これは病院でも最近は、分娩台のないお産ができるところも増えてはきましたので必ずしもではないのですが。
助産院はフリースタイル分娩が主流です。
畳に敷いたお布団の上なんかで四つん這いやスクワットや横向きに寝て・・・など、お母さんの声に耳を傾け、産道を進む赤ちゃんの様子を感じ、どんな姿勢が一番いいのかを一人一人考えていきます。

そんなことを実習に来た看護学生さんにお話しします。
実習に来るって言っても、年に数えるほどの日数なんですけどね。

おしか助産院にはまだ助産師の学生の実習はありません。
まだまだ助産の学生を指導できるほどの施設ではないのでしょうね。

でも、いつの日か・・・私が学生だったころ、実習してあこがれた助産院の先生のように、学生さんが将来開業の道を志すきっかけの一つになれるような、そんな素敵な助産院を作りたいと思っています。

あっ、そうそう今思い出した!
助産の学生さんの実習といえば、昨日のオトメちゃんとの電話でねちょっぴり嬉しい言葉が聞けたんです。

今看護大学2年のオトメちゃん。来年はいよいよ3年生です。
4年で卒業ですので、3年生ともなると卒業後を考えなくてはなりません。

今まではね、オトメちゃんは東京に憧れてて助産は茨城を脱出して東京の専攻科のある大学に行く!って張り切ってたんです。
私は、彼女の思う人生を歩かせたいので別に戻ってこなくてもそのまま東京で就職でいいやくらいに思ってました。
けどね、昨日オトメちゃんが電話口で「やっぱ静岡に帰ろっかな?」って言うんです。
どうやら、東京の大学に通っている小学校の時から仲のいいお友達が、今年から新幹線通学に切り替えたりして、結構静岡女子のUターン率が高いみたいなんです。
なので、彼女も4年頑張ったら静岡から通える助産に入りたくなったみたい。

オトメちゃんいなくても私は全然平気!って思ってこの2年間過ごしてきたけど、やっぱり子どもが遠くにいるのってちょっぴり寂しかったりするんですね。

オトメちゃんの「やっぱ静岡に帰ろっかな?」の一言が、こんなに嬉しいなんて・・・ね。

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2011年10月 6日 (木)

いろいろ

みなさんこんにちは。

最近はめっきり涼しく(寒く!?)なってきましたね。

おしか助産院も少し前にお布団やら赤ちゃんの服やらを秋冬仕様に変更しました。
私的には夏よりも冬が好きなので嬉しい季節です。

ところで、おしか助産院では9月10月と2回救急車に御世話になりました。
それもまったく同じ状況で・・・。
お二人とも初産婦さんで、破水から始まり時間がたってもお産にならず病院にお願いすることになったのです。
助産院から病院に行くのには緊急搬送ということで、救急車を呼ぶんです。
私はいつもお産の時に考えます。
この方と赤ちゃんの力をどこまでなら待てるだろう。
赤ちゃんに最小限の負担で産まれてきてもらうにはどういう方法が一番なんだろう。

もちろん、こんなことはどこの助産師も考えていることです。

その結果、病院でのお産に切り替えた方が赤ちゃんとお母さんにベストなお産だと思えば、できるだけ早く病院へ搬送しなくてはなりません。
それで救急車にお願いすることになります。

ありがたいことに、嘱託医療機関である総合病院側の受け入れ態勢が良く、いつもスムーズに助産院→病院の切り替えができます。

ずっとずっと一緒にお産することを楽しみにしてきた方を病院に送るのは、残念じゃないかと開業当初は思っていました。
しかし、そうじゃないことに気がつきました。
本当に大事なのは一緒にお産することよりも元気な産声を聞くことなんです。
その場所が助産院内であろうが病院内であろうが、私にとって妊娠中ずっと大切にしてきた方の赤ちゃんの元気な産声が響けばいいんです。
だから、病院に搬送することが残念だなんて思いません。
それは、もちろん搬送先の病院の医師や助産師やその他のスタッフが、みなさん本当に優しく思いやりを持って妊婦さんを受け入れてくれるからの安心感もあります。

こんな連携がとれる地域で開業できて本当に良かったと思います。
静岡は本当に良い街です。
人が温かく、気候も暖かく、食べ物もおいしくて、静岡以外を知らない私が言っても説得力に欠けるけど、年齢を重ねるごとに住み心地の良さを感じています。

そうそう、前述のお二人とも病院で医療介入のもと元気な赤ちゃんを出産されました。
お母様も元気ですよ。
自然分娩・・・どこまで待てるかの判断がとっても重要です。

ところで、話は変わりますが我が家のオトメちゃんが運転免許を取得しました。
9月に帰省し短期コースで集中的に通ってあっという間に一発合格でした。
そんなところは、どんくさい私に似ずスゴイとこです。
それで、少しの間オトメちゃんの運転を楽しませてもらいました。
けっこう筋いいかもです。上手いです。

そんなオトメちゃんに運転免許取得のお祝いは何がいい?って聞いたら、運転する時にかけるサングラスが欲しいって言うのです。
で、探しに行ったのですが・・・・季節はずれでめぼしいものがどこにもないんです。
あれもイヤこれもイヤ。
でも本当は私のサングラスが欲しかったみたい。
もう20年以上前に買ったニナリッチのなんですけどね。
同じのなんて売ってないし、私もお気に入りのものなのであげませんでしたが、私が買ったひょう柄のかわいい靴を欲しがったのであげました。
何だか、1歳くらいの時に私のサングラスしてぶかぶかのハイヒールをカタカタいわせて遊んでいたちっちゃなころのオトメちゃんがそこにいるようで、不思議な気分でした。

子どもって、何歳になっても本質的なところは変わらないのかな?
お母さんが好きでお母さんのまねをしたくて、そんな姿がかわいくていとおしくて・・・私はそんな子ども達の姿を見ながら“お母さん”になっていってるって感じです。
“お母さん”って、赤ちゃんがオギャーって産まれたからすぐに完璧なお母さんになれるわけではなく、少しづつお母さんになっていくんだと思います。
20年経ってもまだまだ私は現在進行形で“お母さん”形成中です。

最後にもう一つ。
この前のわらべうたのお話。

育児って停電した中でやるお産みたい。
真っ暗で足元も見えなくて、でも確実にやらなきゃいけないことあって暗いってことを言い訳に間違ったことはできなくて・・・。
その時に一筋の光があればすごく助かります。
懐中電灯一本でほとんどのことができたんです。
育児だって似たようなもので、初めての経験でわからないことだらけの中手探りで進むしかない時もあります。
そんな時に光となって道を照らしてくれるものがあれば、お母さんは安心して自信もって子育てに臨むことができますよね。
その“光”が、みなさんのおっしゃるわらべうただったのかな?って思います。
だから、私が喜々として停電中の懐中電灯でのお産のことを語るように、わらべうたの事を熱く語りたくなっちゃうのかもしれませんね。
信じる物があってそれが素晴らしいものであれば、それは育児にも人生にもいい影響があるのだと思います。
きっと、その遠野のわらべ唄は昔からの知恵の詰まった素敵な教えがちりばめられているのでしょうね。

ただ、停電と同じって言ったのはこういう考え方もあるからなんです。
例えば、私が懐中電灯の話をした時にある人は“ろうそく”の光はとっても明るくて懐中電灯よりもいいよっていいました。
広告には災害時に!ってLEDのランタンが出ています。
太陽光の発電設備はとっても役にたちそうです。
・・・そう、“光”は一つじゃないんです。
いろいろな方法があって、そのどれが自分にいいかは人それぞれなのです。
それでなければならない方法なんてないんだと思います。

だから、私の育児に対する支援のありかたは千差万別です。
助産院に来る子ども達はみんなかわいくて元気です。
ドロ~ンと眠そうにご機嫌斜めの時もあれば、キラキラした目でいたずらしてる時もあります。
一人の子どもの表情は百面相で、それが感情が豊かな証拠だと思うのです。

いろいろな子育て支援があります。
興味のある方はサイトなどで検索してみてはいかがでしょうか?
そして助産院でみなさんの子育てのことを話して下さい。
そんなお話を聞けるのも私の楽しみの一つです。

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