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2007年2月23日 (金)

言葉の力

昨日、うれしい来院がありました。

その方(kさん)とは、静岡市の新生児訪問で関わらせていただいて以来、育児や御自身の体調不安があるとおしか助産院にお電話くださり、色々なお話をさせていただいてきました。
出産されたのは市内の総合病院です。
現在第2子を妊娠していますが、出産予定は第1子と同じ総合病院です。
そのkさんから一昨日お電話がありました。
2人目の妊娠の報告と、私に会いたいということでした。
kさんは雨のふる中、上のお子さんを連れてわざわざ助産院に来て下さいました。
新生児訪問以来お会いするのは一年以上ぶりでした。
ニコニコと笑顔の絶えないkさんと、母乳をしっかり飲んで大きく育った上のお子さんを見ながらkさんと久しぶりに直接お会いしてお話でき、とても楽しい時間が過ぎてゆきました。
そして帰り際にkさんが
「私はこの子を産んで、○○病院の助産師さんや青島さんとお会いできとても幸せです。この子は色々な方に育ててもらっているようなものです。」
というようなことをおっしゃってくださいました。

その時に私は、自分が助産師であって良かったと久々に思いました。
ただ、電話で一年間ずっと相談を受けてそれにお答えしてきただけなのです。
おしか助産院にお電話下さるお母さん達が少しでも不安なく育児が出来るように励ましアドバイスし続けただけなのです。
私と話をすることでお母さん達が明日の育児の不安を拭い去ってくれる事が私の喜びなんです。ただそれだけ。
それなのにこんなに喜んでもらえて、つくづく助産師で良かったな~って思います。
もちろん井戸端会議的な世間話で解決する育児不安も多いのですが、そこに助産師としての専門的なアドバイスを加える事で、よりお母さん方の望む形での解決策を提供できると思うのです。

今、世の中は産科医不足・助産師不足の状態です。
病院の産科はパンク寸前で、医師や院内助産師が時間をかけて一人の妊婦さんや産後のお母さんと向き合う時間はなかなか取れないのではないでしょうか。
そんな中、日々研鑽を積み母子の安全を守っている病院スタッフの努力はすばらしいと思います。
日本のすばらしい医療は医師や助産師や看護師の献身的な労働の上に成り立っています。

助産院ではお母さん方との間にゆったりとした時間が流れます。
あまりメジャーな存在でないことが幸いし、一人のかたとじっくり向き合っていけるだけの時間的余裕があります。
助産院でケアする助産師で良かった。
そう思える理由がここにあります。
人として、女性として、子を産み・育てる親として、お母さん方やその家族を尊敬し、勇気づけ、励まし続けます。
言葉の力ってすごいです。
言葉には魂が宿ってます。言霊です。
今、目の前にいる妊婦さんが、産婦さんが、育児中のお母さんが、自分の妻や娘や姉妹や大切な人だとしたら・・・。
きっと打ちひしがれるような言葉はかけないことでしょう。
叱咤の後には、彼女が明日からまた頑張れるような激励の言葉掛けをするでしょう。
私の日常の診察は、そうしてゆっくりと言葉を選んで話せる時間的余裕があります。

病院の医師のように薬を使った治療はできないけれど、心を寄せて相手の心と体の声に耳を傾け魂のこもった言葉をかけることで、心身を癒し予防できる異常や正常に持ち直せる異常もあるのではないでしょうか。
医学の教科書には載っていないそんなケアの心を持ち合わせた助産師の関わりよって、一人でも多くの女性が産むことのすばらしさや育てる事の喜びを感じられる世の中って、ステキだと思いませんか?

助産師で良かった~
開業して良かった~
そう思える今日この頃です。

そうそう、先日ある医師に
「お産を扱わないと(経済的に)生活が大変なの?」
と聞かれました。
その時は咄嗟のことで何とお答えしていいのか困りました。
でもね、先生、そうじゃないんです。
今まで書いたような、助産師にしかできないお産ってあると思うんです。
大きな病院での管理されたお産にももちろんメリットはたくさんあるんでしょうが、小さな小さな助産院だからこそできる、助産師だけが関わるからこそできるお産を大切にしたいだけなんです。
私はお産だけをしているんじゃないんですが、お産を通して人として助産師として社会に関わって行くのが私の選んだ生き方なんです。
一度、先端医療という眼鏡をはずして私の生き方を覗いてみてください。
それでも尚、人としてこの道が間違っていると言うのならもう一度尋ねてください。

「君はお産しないと生活やっていけないの?」って・・・

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2007年2月22日 (木)

花粉症な日々

もうスグ3月です。
春ですね~
春といえば私は花粉症と戦う季節です。
よく晴れた風の強い日はとっても気持ちいいお洗濯日和・・・イエイエそんな日は恐怖の花粉日和なのです。
私の花粉症歴はいもチャンの妊娠と共に始まりました。
あれから10年。
毎年毎年花粉症になるのに、季節が過ぎればピタリと治まってしまうこの症状ゆえに、症状の出ないうちは自分が花粉症だということをすっかり忘れています。
なので、症状のでないうちに予防や治療をするわけでもなく、もしかしたら今年は大丈夫かもなんてなんの根拠もなしに思い込んでしまうのです。
しか~し、毎年この季節にはキッチリと目の痒みと鼻の症状に苦しみ自分の判断の甘さを悔やみます。
ただ、不思議なことにお産のときは花粉症の症状が和らぐのです。
きっと体も花粉症どころではないって思うんでしょうね。
そしてお産が終わってホッと一息ついたあたりから、クシャミ・鼻水・鼻づまりのスペシャルな症状が待ってましたとばかりに私を襲います。

この時期、もしおしか助産院へ来る事があったら、マスク姿で薬の作用で眠そーな顔してる私がお出迎えします。
あぁ・・・今も睡魔におそわれてるぅぅぅぅぅ・・・・・。

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2007年2月 3日 (土)

怒りんぼな私の子育て

今日は節分です。
節分はいつもおとめチャンといもチャンと豆まきをします。
「今年はどんな鬼を追い出す?」
おとめチャン「う~ん、勉強しない鬼かな?」
いもチャン「泣き虫のオニ~!!」
なんて会話をしながら豆をまきます。
そして、ママは?と聞かれていつも困ってしまうのです。
だって、人って鬼だったり仏だったりして心のバランスをとっているっていつも思っているから、鬼を追い出して仏の心だけになっちゃったらおもしろくないじゃん・・・。
な~んて意味不明なことをとっさに考えてしまうのです。
そして毎年「ママは怒りんぼの鬼を追い出そうかな?」
などとテキトーに答えてます。
テキトーに答えた鬼が私から出て行ってくれるはずもなく相変らず私は怒りんぼなママなのです。
でも、この頃あまり怒っていないんじゃないかなぁ。
私はなんにも変わらないのに、子供達がちゃんと成長してくれてるんです。

今まで怒ってきたことを確実に子供達は学習してくれてます。
例えば、ケンカをした時に暴力しない。
これはいもチャンが手におえなかったなぁ。
おとめチャンと5歳の年齢差のあるいもチャンは口では絶対にかないません(この頃はいもチャンもかなりの屁理屈をいうようになってきましたが・・・)
小学校の低学年まではおとめチャンとケンカするとさいごは必ず叩く・蹴る・髪をひっぱる・・と暴れてました。
その都度、ケンカの理由は何であれ私はいもチャンに暴力では何も解決しないことを伝え続けました。
叩かれる事の痛さを判らせるために私がいもチャンに手を上げることもありました。
その時は一度だけピシャッとやっておいてあとはいもチャンが理解するまで話をします。そして最後は抱きしめます。
時には泣きながら「ママは悲しい・・・」と伝えた事もあります。
この子の暴力はいつになったらおさまるんだろう・・そんな不安が常にありました。
子供達のケンカに神経をとがらせ、ケンカになる前に私が子供の前でふざけて笑わせて気をそらし続けた時期もありました。
そのおかげで今ではケンカしてなくても私は笑いをとるママです・・・^^;

いもチャン、この頃は絶対に暴力で解決しようとはしないです。
すばらしい理屈をこねまわして、一生懸命自分の意思を伝えてきます。
暴力ふるう大人を変えるにはすごい時間と労力と犠牲が必要なのに、子供はほんの3年ほどで見違えるように成長します。

子供って常に前に進んでいる生き物なんですね。
親はけっこう立ち止まったり振り返ったりして進む速度はゆっくりなのに子供は猛スピードで進んでいます。ただ親の位置から見るとそのスピードがまるで止まっているかのようなんです。
今、育児の悩みを抱えているお母さん、大丈夫ですよ。
ちゃんと子供と向き合って、その問題から逃げなければ、必ず子供が結果を出してくれます。

そうそういもチャンが私に怒られている間、おとめチャンはケンカしててもいもチャンが気になったりするみたいで、いつの間にかなぐさめたりしています。
そして、2人の間には“怒りんぼママによる被害者の会”的な雰囲気が出来上がるのです。最後は悪いのは怒りんぼなママと言う事になってたりして・・・。オイオイ、問題すり替わってない??とか思いながらも、ほほえましい2人です。

ここまで読んでくださった方の中に、子供は怒るんじゃなくて叱るでなければ・・・と思われた方もいるかもしれませんね。
しかし、私の場合はあえて“怒る”なのです。
“叱る”なんて高度な育児技術を持ってない私は、常に怒りんぼの鬼を飼いならして日々子供達と向き合ってます。
だから、立派な育児書のように“叱って・褒めて”育てるなんて私にとっては別世界の話なのであります・・・。ゴメンナサイ。

最後に、私の豆まきっていつも「鬼は外~」って豆を外にまいて、その後「福は内~」って豆を家の中にまいてました。
でも、昨日気付いたのです!!
豆は鬼を追い出すためにまくんであって「福は内」でまいたら福の神様にも豆を投げつけてるってこと・・・。
それをいもチャンに言ったら
「え~~ママ今まで知らなかったの?」だって。
だって、みんな一緒にやってたじゃ~ん。
きっと私の心の鬼達はウッシッシってバカな私を笑ってたんだろうなぁ、グスン(涙)

さて、きょうの節分、豆をたくさんまくぞ~~~!!

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2007年2月 1日 (木)

生きたい命

暖冬でもやっぱり冬は冬。毎日朝は寒くて動作が緩慢です。

先日ちょっぴり感動なできごとがありました。
その日は朝“たまかわ助産院”でのお産のお手伝いに行っていました。
助産師はお互いの助産院のお産のお手伝いに行ったりするんです。
一昔前の農繁期の隣組みたいでしょ。

お産も無事終わって赤ちゃんの体重計ったりしていると、私の携帯がなりました。
その日は診察も何も入っていない日だったので、何か相談の電話かななんて思って出ました。助産院への電話は全て携帯に転送になるんです。

その電話は私のとこに通い始めたばかりのOさんからでした。
お買い物をしていたら急にたくさん出血したというのです。
まだまだ妊娠したてのOさんです。
すぐに助産院に来るように伝え、私もたまかわさんに事情を話しすぐに助産院に帰りました。
しばらくしてOさんが来院。
診察をするとけっこうな出血です。
私はとっさに流産かなと思いました。
しかし、エコーをあてると赤ちゃんが元気に動いてるんです。
そう、赤ちゃんはお腹の中で元気に頑張っているんです。
まだたった妊娠10週の赤ちゃん・・・。生きて!!!って思いました。
スグに近くの総合病院に連絡し受診に付き添いました。

私は先に帰り少しして、病院では一通りの診察の後自然経過を見ましょうとのことで止血剤を処方されて帰宅となりましたとの電話をいただきました。
大きな塊の出血があったら来て下さいと言われたとの事。
もしかしたら無理なのかな・・・だから帰宅なのかな・・・。
少し弱気になった私でしたが頑張ってる赤ちゃんと、私なんかよりもっともっと不安で弱気になっているお母さんにさすがにそれを言葉にはできませんでした。
「とにかくお家で安静にね。」「お腹をあっためて、寝たきりでいいんだよ。」というのがやっとです。
助産院にいてもその方のことばかりが気になってしかたありません。
しかしこんな時は運命を信じるしかなくて、無宗教の私ですのでどの神様にってわけでもなく「とにかく赤ちゃんを見守ってください」と祈ってました。
そして一日過ぎ・・二日過ぎ・・・。Oさんからの連絡はなく、きっと出血が治まってこれ以上の進行はなかったんだと感じました。
三日目になって連絡をいれると、案の定出血はかなり少なくなってきているとの事、流産のような塊の出血はなかったとのことで一安心しました。
しかし、私はお節介助産師なのでここであー良かったと電話を切る人間ではありません。
本人を動かしたくはなかったのでそのままそのお宅に訪問させていただき赤ちゃんの心音(心臓の拍動音)を確認させていただくことにしました。
Oさんのお宅は一度上のお子さんが生まれたばかりの時にお伺いさせていただいた事があり、すぐにわかりました。
お部屋に案内されて、Oさんのまだ膨らんでもいないお腹におそるおそるドップラー(心音を確認するための器械)をあてました。
お母さんの血流音の奥にかすかに流れる赤ちゃんのシューッ・シューッという心臓に流れ込む血流音・・・。
生きてる!!赤ちゃんはこの世に出たいって生きてる!!
まだ、3センチほどの赤ちゃんの命の音でした。
このとき、私は命って奇跡なんだって強く思いました。

こんなドラマのような出来事のない妊婦さんの赤ちゃんだって実はお腹の中でたくさんのドラマを持って生きてます。
なぜ、命が大切なのか・・・
それは“生きている”から。生きていたいから生きているんです。
自分の意思とは関係なく自然な状況の中で細胞の一つ一つが生きていたいって頑張っているんです。
殺人・自殺・・・命の大切さってナンだろうなんて理屈じゃないんです。

多くの赤ちゃん達がこうして生きて産まれてきてくれるありがたさに日々感動をもらい、私は自分の仕事がますます好きになります。
助産師で良かった~!そう想える毎日は、私に関わって下さる妊婦さん・胎児ちゃん・赤ちゃん・お母様・御家族・・・みなさんのおかげです。
この場を借りて、今まで関わってくださった皆様にありがとうとこれから関わるかもしれない皆様によろしくと言わせていただきます。

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